
Ex-pro 32volt Booster(以下32vと称する)をご紹介。32vは、MXRサイズの筐体で最大26dBのブーストが可能なFET仕様のフルレンジ・クリーン・ブースターである。最近は32vの成功に気を良くした(?)同社より何種類かのブースターが発表されており、名称が似通っていてユーザーが判別しづらいため筐体のプリントが「ブースター」から「クリーン・ブースター」に変更されているが、中身は同じ。僕が入手したのは前者のほうだ。
32vはDC専用で電池は使えず、センターマイナスの9ボルト用ACアダプターが必要となる。個人的な見解だが、10数年前に同社が発表したプリ・プリアンプ(というかディストーション)x-1の歪みをなくしてブラッシュアップし、ストンプボックスサイズに凝縮したような印象を受ける。コントロールはゲイン、ベース、トレブル。ベースとトレブルを絞ってゲインを上げることでミドルレンジをブーストできるようになっているのだが、別個にミドルのツマミがあれば尚良かった。フットスイッチはトゥルーバイパス仕様で、クリックノイズは絶無。LEDは青で、昼間はともかく暗いステージ上では相当に眩しい。
僕はアップライトベースの音量をブーストする目的であれこれブースターを探していたのだが、いろいろ試して最後に辿り着いたのがこの32vだった。現在市販されているブースターの中で最もワイドレンジで最も色付けが少ない…とは言え、若干高域が強調されて音が硬くなりはする。もっともブースターを使う場合というのは、それなりの音量のバンドサウンドの中でということになるから、こういった音質の変化はむしろ好都合だろう。なにしろ僕も、バンドの演奏がヒートアップした最にベースの音量が上げられず困り果てて外付けのブースターを探すことになったのだから。
32vのダイナミックレンジは雄大で、弦をはじく指先の強弱を余すところなく表現してくれる。埋もれがちだったベースの音がクッキリと浮かび上がり、弦の振動が目に見えるかのような音像が飛び出す。僕のセッティングは全てのツマミが12時の位置で、状況によってトレブルをもう少し下げたりゲインを上げたりといった程度。32vはただ音量を上げるだけではなく、音量の上下幅が大きく拡大されるのだ。バンド全体の音量が小さいときは柔らかいタッチで弾き、音量が上がってきたらちょっと強めに弾けばそれでOK。いくらガンガン弾いても音量がもう上がらなくてアップアップ…なんてことがない。
強く弾けば弾いただけの音量が得られるのはもちろん、柔らかく弾けば指先のタッチそのままに出力されるから常時オンのままで使っている。この状態でゲインを絞り切れば入力側のプラグを抜き差ししても完全に無音なので、休憩中は楽器のプラグを抜いて無駄な電池の消耗を防ぐことができて精神的にも助かる。
32vの欠点は特に見当たらない。強いて挙げれば、ツマミがツルツルなので刻みのついたものだったら良かったということと、ポットが内部基盤に直付けなのが強度面と耐久性の面で若干不安がある、といったことぐらいだろうか。余談ながら、構造的にもx-1を受け継いでいるのか、中身はほとんどカラッポだったw
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