« クルマで生活が変わる | トップページ

2018年6月18日 (月)

電子譜面 GVIDO

Gvido800

GVIDOは、テラダ・ミュージックスコアが開発し山野楽器が販売する電子譜面である。最大の特徴はA4見開き仕様であること、つまり左右の2画面で1セットとなっていることだ。GVIDOは表示部分に電子ペーパーを採用しており、バックライトがないので画面は発光しない。通常の紙と同じように、外来光を画面が反射するのみであり、暗い場所では見えにくくなる。

電子譜面を購入するに際してGVIDOにするかiPadにするか半年以上逡巡した挙句、GVIDOを選んだ。僕としては、普段の仕事で目を酷使することもあって眼精疲労の軽減が必須なのに加え、たびたび演奏の現場でiPhoneやiPadを譜面表示&歌詞カードとして使う人々を羨ましい思いで見てきた自分であるからには、そういった人達とは違ったガジェットを持ちたい!という気持ちが強かったというのがGVIDOを選んだ大きな理由だ。なんたってGVIDOはスタイリッシュでカッコイイ。

利便性や機能性を考えたらiPodのほうが良いと思う。ざっくり言うとGVIDOは「譜面表示に特化したモノクロのPDFビューワ」である。基本的な操作は付属の専用スタイラスペンで画面に触れることによって行うが、譜めくり操作だけは指先でベゼル部分の左右に備えられているセンサーに触れることで行う。また、メニューのトップに戻る時、ペン先の設定を呼び出すときには、ベゼル下部にある物理スイッチを押すようになっている。書き込みや譜面の選択をはじめとした操作全般を指先のタッチだけでできるようにしたらもっと便利になるだろうと思うのだが、わざわざ操作系統を3つに分断しているのは、意図しない動作を避けるためだと思われる。特に演奏中に。「操作はスタイラスペンで、譜めくりは指で」行うことは、慣れれば何の問題もないがペンを紛失しないよう注意が必要だ(このスタイラスペンはワコム製だが、同じワコム製でもintuosのペンは流用できない)。

GVIDOではPDFのみ表示可能なので、スマートフォンやパソコンでPDF化したデータをあらかじめGVIDOに送っておく必要がある。データ転送方法は、Wi-Fiでのクラウド経由・USBケーブル経由・microSDカード経由の3通り。僕はiPhoneで譜面やコード譜を撮影してPDF化し、そのデータをiMacに送ってmicroSDカードでGVIDOに読み込ませる、という手順を踏んでいる。ちょっと煩雑だが…なぜか自宅のWi-FiをGVIDOが認識せず、また、いま使っているiMacがちょっと旧い機種ということもあり、この方法しか無かったのだ。ルーターのすぐ横で接続を試みてもGVIDOには「圏外」と表示されるのみ、おかげでユーザー登録もできていない現状である。もちろんセットリストの利用もできない。

余談ながらiPhoneのスキャン・アプリAdobe Scanは驚くほど優秀で、数値指定こそできないものの十分に満足のいくPDFデータを作成できる。譜面のスキャン~電子データ化にはもっと時間と手間がかかるものと覚悟していたが、呆気ないぐらいサクサクと作業が進んだ。

スタイラスペンを使って譜面に書き込みもできるが、ゆっくりめにペンを動かさないと描画が追従しない。消しゴムを使うときは更に反応が大きく遅れる。いずれもアンドゥ・リドゥはなく、一発書きの一発勝負だ。ペン先の太さは大中小の3種類、濃さも3段階あるほかに「白で書く」ようにも設定できる。消しゴムの大きさは2種類。書き味はお世辞にも良好とはいえず、画面の隅っこに行くと描画精度が下がるのはご愛嬌。何も書かれていない五線紙をPDF化して読み込んでおいて、そこにペンで譜面を書いていくこともできる。ただし、書き込みしまくっていると「譜面をめくるだけ」の時よりも電池の消耗が早くなる。

GVIDOのカーボン製外装は滑落防止のため鮫肌状の加工が施されており、ザラザラしていて手触りは良くない。これも慣れればどうということはなく、むしろツルツルスベスベでは危険だろう。合皮製スリーヴケースが付属するのは気が利いている。僕は別売りの洒落た本皮製ケースも購入したのだが、粘着テープで装着することと、このケースを付けるとmicroSDカードの着脱がやりづらくなるのとで今のところ使っておらず、付属ケースを活用している。

別売りのフットスイッチも購入したが、GVIDO本体だけで不便さを感じないためフットスイッチはほとんど使っていない。このフットスイッチは3つのスイッチを備えているが、割り当てられる機能が「ページめくり」「ページ戻し」「セットリスト表示」「無効」しかない。ここらへんはユーザーがもっと自由に機能を設定できるようにしてもいいんじゃないだろうか?

GVIDOはその佇まいからしてもクラシック用に開発された製品であろうことは明白で、例えばコンサートマスターがホールのステージ上でGVIDOを譜面立てに乗せていても何の違和感もない、心憎いばかりのデザインを持っている。iPadだとなかなかそうはいかないだろう(逆に、ジャズやポピュラーではiPadのほうが使い勝手は良いと思う)。

実際にGVIDOを演奏の現場で使っているが、すこぶる便利だ。特に、たくさん譜面やファイルを持ち運ばなければならなかった今までのことを考えると、A4ファイルと同じサイズのGVIDOひとつだけで済んでしまうのだから本当に有難い。紙の譜面のようにクルマのトランクに入れっぱなしには出来ないけど。

|

« クルマで生活が変わる | トップページ

音楽」カテゴリの記事

コメント

I'm glad that it turned out so effectively and I hope it will continue in the future because it is so worthwhile and meaningful to the community. bgeedcdefeak

投稿: Johne833 | 2018年6月22日 (金) 10時28分

GVIDO is a one-trick-pony-like stoic product, but that's good.

投稿: imaiyu | 2018年6月28日 (木) 00時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/509732/66842050

この記事へのトラックバック一覧です: 電子譜面 GVIDO:

« クルマで生活が変わる | トップページ