
昨日の新聞に載っていた記事が気になったので少し書いてみたい。以下、少々長いが記事を引用する。『米大統領選の民主党候補指名を争うオバマ上院議員が師と仰ぐ牧師が、説教で人種やテロなどをめぐり問題発言を連発していたとメディアなどで指摘され、オバマ氏の支持組織を辞めた。オバマ氏も「わが師」の批判に追い込まれ、今後の選挙戦に影を落としそうだ。この牧師は、オバマ氏が通うシカゴの教会に在籍していたジェレミア・ライト師。オバマ氏の結婚式の司祭を務めるなど、同氏が長年にわたり「おじのような」親近感と敬意を持ってきた人物。しかし、インターネット上で「(米国は)裕福な白人に支配されている。ヒラリー(クリントン上院議員)には決して分からない」「神は国民を人間以下に扱う米国をののしっている」などと絶叫する過去のさまざまな説教の映像が流出。別の場では「われわれは広島や長崎に原爆を落とし、ニューヨークよりずっと多くの犠牲者を生んだ」などとして、米中枢同時テロは当然の報いとの見方も示していた。米主要テレビはこれらの映像を繰り返し放映した。選挙戦への影響を懸念したオバマ氏は14日、一連の発言は「全く受け入れられず弁解の余地はない」と批判に追い込まれ、ライト師はオバマ氏を支持する宗教指導者組織を辞任した』(沖縄タイムス平成20年3/16朝刊より引用)…日本人にしてみると何故これが問題発言なのか不思議だが、一般的なアメリカ人の日本に対する冷徹な視点や思考がうかがえて大変興味深い。逆に言えば、洗脳同然の教育を施されて正義の旗を振りかざすアメリカ人の中にも、このように相対的な視点を持ち、何が正しい事なのか、何が間違った事なのかを自分の頭で考え表明する人が存在するという事になる。まだまだアメリカも捨てたもんじゃない。
過日、チベットで中国中央政府に対する不満のデモから発展した暴動が発生したが、これに対する中国政府の対応を見ているとあまりにも短絡的で悲しくなる。ダライ・ラマ14世を中国からの分裂を画策し暴動を指示した張本人と決めつけているが、中国政府に対するダライ・ラマ14世の発言は「中国が私をスケープゴートにするなら、真相究明のため国際社会の調査を受ければいい」(沖縄タイムス平成20年3/17朝刊より引用)と誠にあっぱれである。そもそも中国がチベットを侵略して領土とし、文化的宗教的自由を抑圧している事実に対して中国政府はまったく触れず都合の良い視点からのみ発言している。
動物行動学者コンラート・ローレンツの本『ソロモンの指輪』で読んだのだが、オオカミはオオカミ同士喧嘩になっても相手が首もとを見せて降参すれば、それ以上の攻撃は加えず喧嘩は収束する。しかし、ハトはハト同士喧嘩になった場合、相手が瀕死の状態に陥ってもなお羽をむしり続けたり皮を剥いだ相手の肉体を鋭いくちばしでつつき続けるのをやめない。強い動物はどの程度攻撃を加えたら相手が致命傷を負うのかを知っており、弱い動物ほど加減を知らず過剰に攻撃してしまうのである。強面に見えるアメリカも中国も、実は決して強くないのではなかろうか。
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